「天才が羨ましい。凡人の俺なんて…」
私が偏差値50の私立大学生だった頃、「自分にはまだ隠れた才能がある」と根拠のない自信を持っていました。しかし、しかしだ。
大人となって、社会で働き始めた頃には認めなければいけませんでした。
「自分は凡人だ」という事実に。
「凡人は努力しなければいけない」なんてよく言いますが、「どうせ努力なんてしても意味ない」。
そんなふうにも思っていました。
しかし、図書館でふと手に取った知覚心理学の本である「脳は、なぜあなたをだますのか」を読んで、
「なるほどなあー」
と思ったので、どんな内容だったかを紹介したいと思います。
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天才と凡人の違いとは?
天才と凡人の差は、脳の違いにあります。
人間がなにかの課題を適切にこなそうとする時、脳がエネルギーを消費してその課題に注意を向けます。
『職場のデスクに外線から電話がかかってきた』
そんな課題が発生した時、脳の注意は電話対応することに使われます。
この脳が注意できる容量のことを『注意資源』といいます。
そして、人間にはこの注意資源の容量限度が決まっているようです。
つまり、天才と凡人との差は、この注意資源の容量の絶対量の差というわけです。
また、2つの課題を同時にこなすことを『二重課題』といいます。
『外線の電話対応をしながら、伝言を頼まれたのでメモをしなければいけない』
これが二重課題。
注意資源の容量が100の人が、電話対応に50の注意資源を使い、メモすることに60を使った場合、容量オーバーとなってどちらかはできなくなる。こういうことです。
しかし、天才の注意資源の容量は200あるのです。
つまり、電話対応に50、メモに60を使ったとしても、まだ90も脳に余裕があるということ。電話対応もメモも同時に楽々とこなすだけでなく、自分の仕事もできてしまう。
これが天才と凡人の差です。
凡人の生き方とは?
凡人の注意資源は天才と比べると少ないため、いろいろなことをこなすことができません。
そして、残念ながら、この注意資源の絶対量を増やすことはできないみたいです。
「凡人オワタ…」
しかし、まだ諦めるのは早いです。
注意資源を増やすことはできないけど、注意資源の消費量を減らすことはできるからです。
それが努力であり、努力による慣れでもあります。
注意資源が100しかない人でも、電話対応を経験しまくることで、最初は50の注意資源を使っていたが30とか20まで減らすことができます。すると、メモに60を使ったとしても、キャパオーバーしなくなるというわけです。
だから、努力や訓練が必要になります。
努力をしなければ、いつまで経ってできることは増えていかないのです。
何を努力すればいいか分からない場合は?
「そもそもなにを努力すればいいか分からない!」
そんな人は、自分にとって、以下のマトリックスになにが当てはまるかを考えるといいです。
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そして、優先すべきは、「緊急度が低いが、重要度の高い」領域のこと。
つまり、「いますぐやらなくてもいいけど、やったら絶対にいいだろうな~」ってこと。
ここに自分の時間を集中投下したほうがいい。
これはすでに多くの本でも言及され尽くしているように、事実なのだと思います。
この領域はその人によって変わってきます。
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「緊急度は低いが重要度の高いこと」はすぐに効果を実感することができません。
なぜならば、実が成るまでに時間がかかるからです。
しかし、後々になって、「ああ、あの時やっておいてよかった」と痛感するはず。
そのため、自分の1年後や2年後を想像して、「こんなことができていたらいいなあ」ということのために努力するといいと思います。
自分のやりたいことが分からない人は、「やりたくないことを列挙してみること」もおすすめです。
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最後に
天才にはなれない凡人の生き方について紹介しました。
当記事をまとめます。
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努力は大変です。
ですが、「努力しないことは、楽することを前借りしているだけ」にすぎません。つまり、気が付いた時には貯金がなくて崖っぷち。
そんなことになってしまいます。
そのため、自分の努力を向けるべきことを見極めて、努力を重ねてできることを増やしていくことこそ、我々凡人の生きる道なのだと思います。
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以上