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30歳でセミリタイアするためにやった5ステップ
1日でも早くセミリタイア(サイドFIRE)したい。
そんな方に向けて。
こんにちは、なにおれ(@lemologue)です。私は30歳になる前くらいに会社を辞めました。
会社で働き始めた23歳くらいのときには、会社を早期で辞めることなんて1mmも思っていませんでした。
というより、そんな選択肢があること自体知りませんでしたね。
ただ、社会人4年目に営業の仕事から逃げるように転職をして、そのときの1ヶ月間の有給で自分の人生をゆっくりと考える時間ができました。
そこではっきりと、セミリタイアという生き方を目指しはじめました。
そこから3年ほどがむしゃらにお金を貯めて、現在は、結婚をして奥さんと二人暮らしをしています。
奥さんは会社で働くことが嫌いな人ではないのでまだ会社員を続けていますが、二人でセミリタイアすることもできます。
最近では、「FIRE」という言葉をよく見聞きするようになりましたよね。
ですが、理論の話が大半です。
もちろん、ベースとなる理論は超大事なわけですが、それよりも大事なことは、自分なりにアレンジすることだと思っています。
というのも、世の中に絶対の正解なんてものは存在しないからです。
土台には理論がありますが、情報を分解したり、違う情報をつないだり、足りない部分を補完したり。
そうやって自分なりの道を構築していく必要があります。
だからこそ、会社を早期で辞めたいのであれば、いろいろなケースのデータを自分の中に蓄積することには価値があると思っています。
というわけで本記事では、私がどうやって30歳でセミリタイアを実現したのかを紹介します。
▼動画でも解説しています
私なりのセミリタイアの定義
まずは、私なりのセミリタイアの前提を定義しておきます。
生きるために絶対に必要なお金の25年分のリスク資産と生活防衛資金として1年分の現金を持ち、娯楽的な支出はやりたくないことはせずに稼ぐこと
となります。
ポイントは、大きく2つあります。
1つが、資産は理論上必要なお金を持つだけで取り崩すつもりがないこと。もう1つが、生活に必要なお金はやりたくない仕事で稼がないことです。
ポイント1:資産は理論上必要なお金を持つだけで取り崩さない
まず、1つ目のポイントですが、会社を早期で辞める「FIRE」という概念は、アメリカの「トリニティスタディ」という研究がベースになっています。
ざっくりいえば、伝統的な米国株式インデックスファンドと債権ファンドに50%ずつのポートフォリオで保有すれば、毎年4%で取り崩しても40年後でも86%の確率で残っているという研究結果
預金を毎年4%づつ取り崩せば25年で底を尽きるため、資産運用と組み合わせることで資産がずっと長持ちするということですね。
そのため、年間の生活費の25年分の金融資産を作れば、働かなくても年金が支給される老後まで生きられるというのが、FIREのベース理論になります。
ただ、私の場合は、米国株式を中心に投資していますが、インデックスファンドだけでなく、高配当株にも投資しています。
つまり、トリニティスタディの前提とは違うことをしているので、FIRE理論がそもそも成り立たなくなります。
そのため、資産を取り崩すつもりはありません。
あくまで、生活に必要なお金の25年分をリスク資産として持ち、運用を一生続けることを前提として考えています。
ポイント2:生活費に必要なお金はやりたくない仕事では稼がない
そして、もうひとつのポイントが、娯楽的な支出はやりたくない仕事では稼がないことです。
セミリタイアという概念は、娯楽のためのお金は働いて稼ぐことになるわけですが、働く選択肢はいろいろありますよね。
たとえば、会社の時短勤務、派遣、アルバイト、単発のバイト、自営業、フリーランスなどですね。
この労働の部分でなにを選択するかが人によって違ってくる部分のひとつですが、そもそも論としてやりたくないことはしないこと。
これが、私なりのセミリタイアの定義の2つ目のポイントになります。
というのも、資産を取り崩さないつもりのため、結局は働いて生活にかかるお金をすべて稼ぐ必要があります。
そんなとき、やりたくもない仕事をしていたら、それはもはや、「セミリタイアって一体なんなんだ?」と思うからですね。
まとめ:働かないことではなくやりたくない仕事をやらない
「生活に必要なお金を働いて稼いでいたらリタイアしてねえじゃねえか」
って感じかもしれません。
ですが、ここが冒頭でも言った、自分なりのアレンジが必要ということになります。
最悪資産を取り崩せば何十年と生きることができる選択肢を持っているからこそ、自分がやりたくないことをせずに生きていけるライフスタイル
私にとってのセミリタイアのことを、このように思っています。
つまり、働かないことを目指しているのではなくて、やりたくない仕事をやらないことを目指しています。
なので、金融資産というのは、いってしまえば、「副作用のない精神安定剤」というイメージが近いですね。
この最強の精神安定剤を持っているからこそ、やりたくないことはせず、自分にとって心地いいことでお金を稼げるようになると思っています。
30歳でセミリタイアするためにやった5ステップ
結論からいえば、こちらの5ステップになります。
- ステップ1:理想の暮らしを言語化する
- ステップ2:目標資産額を2段階で算出する
- ステップ3:理想の暮らしに必要なスキルを洗い出す
- ステップ4:淡々とお金を貯めつつスキルを磨く
- ステップ5:撤退ルールを決めてから退職
この5ステップになります。
ちなみに、私の場合、「あとちょっとだけ準備が整ったら退職しよう」というところで、想定外の結婚をしました。
この話も最後におまけ的な感じでします。
ステップ1:理想の暮らしを言語化した
まずはこれですね。
私がセミリタイアを本気で目指したのは、転職によって手に入った1ヶ月間の有給がきっかけです。
その1ヶ月をどうやって過ごしたかというと…
朝早起きして、朝ごはんを作って、ゆっくりと食事をして、食事の後はゴロゴロして、今度はお昼ごはん作って、あとは、昼寝をしたり、本を読んだり、筋トレをしたりして、夕方には散歩ついでにスーパーに買い物に行って、買った食材でのんびり料理をして、シャワーを浴びて、眠くなる前に布団に入る。
そんなめちゃくちゃ退屈そうな生活をしていました。
ですが、そんな退屈な暮らしが、心から幸せだと気が付いてしまったんですよね。
この暮らしを実現するにはお金はたくさんはいらないし、会社で働く時間が最大の邪魔であることを自覚します。
そこで、この有給の期間を使って、「自分はどんな暮らしができたら最高なのか」を徹底的に言語化しました。
いま振り返っても思いますが、これが本当に肝の肝でした。
自分はどこに辿り着きたいのかを知らない状態で、FIREやセミリタイアを目指すことはおそらく難しいです。
私個人の考えとしては、FIREやセミリタイアに目的は必要ないと思っています。
必要なお金が貯まったら会社を辞めて、膨大なひまな時間を手に入れたあとに、ゆっくりと自分の心が本当に望むことを探しても遅くないと思います。
要は、セミリタイアという手段を目的にしてしまうわけです。
こういった手段の目的化は、世間的にはバカのやることみたいな風にいわれますが、経験してみないとわからないことはありますからね。
なので私は、手段を目的化することはむしろいいと思っています。
ただし、セミリタイア自体を目的にして実現できる人は少ないと思います。
というのも、モチベーションを維持できないからです。
- 実現したいゴールが明確になっている状態
- セミリタイアという手段がゴールになっている状態
この2つの状態を比較すると、前者のほうが自分を突き動かすパワーが強く、そして、長持ちします。
結局のところ、お金を使うことで快楽が手に入るし、勉強やスキルを身につけるよりも友達と遊んでいるほうが楽ですからね。
そういった甘い誘惑を断ち切って突き進むには、強い動機が欠かせません。
だからこそ、自分にとって理想の暮らしを最初に言語化したことは正解でした。
これなくして、26歳でセミリタイアを目指し始めて、30歳になる前の3年ちょっとで実現することは不可能だったと思います。
ステップ2:目標資産額を2段階で算出した
まず最初に言っておくと、「セミリタイアにはいくらお金が必要」みたいな情報にあまり意味はないと思います。
もちろん参考にはなりますが、その数字自体に意味はありません。
というのも、人によって目指す暮らしが違うからですね。
あくまで、自分にとって必要なお金を算出することが肝になります。
そして、私の場合は、この必要なお金は2段階に分けて設定していました。
第1段階が、最低限満足できる生活水準ベースで、第2段階が、理想の暮らしを実現するための生活水準ベースですね。
私の場合、前者が月5万円で、後者が月10万円ちょっとくらいになります。
そのため、まずは最短で会社を辞められるように最低限必要な資産を目標にしていました。
その上で、あとはやりたくない仕事でお金を稼ぎつつ、10年や20年などの長期間で、第2段階である理想の暮らしに必要なお金を貯めることを目標にしました。
まずステップ1では理想の暮らしを明確にしましが、私なりのセミリタイアの定義に基づくと、必要なお金の25年分を貯めようと思うと、会社を辞めるまでに時間がかかりすぎます。
しかし、私はこれまでの体験で、会社に行かなくていいだけで退屈で質素な暮らしでも幸せに暮らせることを知っていました。
だからこそ、第1段階では、最低限で暮らせる生活をするために必要な資産を貯めたら会社を辞める。
そして、あとはゆっくりと時間をかけて、2段階目の完全な理想の暮らしを目指してお金を貯める
こうやって2段階に分けて目標資産額を設定したわけです。
ステップ3:理想の暮らしに必要なスキルを洗い出した
理想の暮らしを明確にすると、いまの自分になにが足りないかが見えてきます。
その足りないスキルを言語化しました。
私にとってのセミリタイアとは、理想の暮らしを実現するための通過点の1つにすぎません。
私の思う理想の暮らしの中には、組織の中で働くというものはありません。
だからといって、フリーランスで仕事を請け負っているという理想もありません。
だからこそ、楽しいことや心地いいことでお金を稼げるようになる必要がありました。
そのために学んできた1つのスキルが、「情報発信スキル」ですね。
このスキル自体ではどうにもなりませんが、自分で商売をする上では最強のスキルになると思っています。
また、仕事のことだけでなく、私生活においても同じです。
たとえば、私の理想の暮らしの1つには、「どんな料理でも自分で作れて、それを人に食べてよろこんでもらう」というものがあります。
そのためには、料理を作る技術だけでなく、盛り付けや見せ方なども身につけたいスキルになります。
そんなに堅苦しく考えているわけではないですが、日常生活ではできるだけ外食はせずに、自分で料理をすることにしています。
これは日々の節約のためでもありますが、もっと大きな視点では、理想の暮らしを実現するためのスキルを身につけるためというわけです。
こうやって理想の暮らしを実現するためのスキルを洗い出してみると日常の過ごし方は変わってきます。
ステップ4:淡々とお金を貯めつつスキルを磨いた
- 理想の暮らしを知る
- そのためにはお金がいくら必要かを知る
- そのためにはなにをやらないといけないを知る
ここまで明確になってしまえば、あとは淡々とやるべきことをやっていくだけです。
さらっといいましたが、ここが一番大変なところですけどね。
節約や転職、副業というのは、その手段の1つでしかありません。
私の場合、特に贅沢をすることが理想なわけでもないので、とにかく節約を極めることにしました。
あとは、情報発信のスキルや料理のスキルを学んできたことがそうですね。
セミリタイアを実現するには、何年もお金を貯めることになります。
どんなに早い人でも2年、人によっては10年とかかかると思います。
なので、お金が貯まってから理想の暮らしに必要なスキルを身につけるのでは効率が悪すぎます。
だからこそ、お金を貯めつつ、必要になるスキルを学んできたわけです。
実際のところ、私の理想とする暮らしにはまだまだ足りないスキルもあります。
ただ、いまはできないことでも、時間を味方につければ大抵のことはできるようになると思っています。
努力ができないというのは、努力したくないことで努力しようとしているからです。
たとえば、ゲームが好きなら、ゲーム攻略のための努力は努力と感じないと思います。
自分がワクワクする理想の暮らしを実現するための努力であれば、大変ではあっても、その時間は意外と心地がいいものです。
ステップ5:撤退ルールを決めてから退職した
これが最後のステップになります。
ステップ2の目標資産額の第1段階のお金が貯まったので会社を辞めるわけですが、正直、踏ん切りがつきませんでしたね。
どれだけ会社で働くのがキツイと思っていても、いざ会社を辞めるとなると不安がドッと押し寄せてきます。
そこで最後にやったのが、撤退ルールを決めることとなります。
徹底ルールを決めるとは、どういう状態になったら、なにをするかを事前に決めておくということです。
つまりは、リスクヘッジですね。
「会社を辞めて収入がなくなり、だからといって自分でお金を稼ぐこともできない。資産が減っていくのを毎日眺めるだけ」
これでは、自分の精神状態がもたないと思ったわけです。
なので、精神状態をギリギリ維持できそうなラインで、やるべきことを事前に決めておきました。
資産額は株価によって変動するのでどうしようもないので、私の場合は、収入で撤退ラインを決めました。
- 3ヶ月連続でいくらの収入を得られなければこの仕事をする
- 1年でこの収入が得られなければ、この仕事をする
という、「短期」と「長期」での撤退ラインを決めておきました。
いまのところはまだこの撤退ラインに達していないのでわかりません。
ですが、少なくてもやばくなったときにやることを決めているので、漠然とした不安で無駄に悩むことはそれほどありません。
セミリタイア前の結婚について
最後におまけ的な感じですが、セミリタイア直前で結婚をした話もしたいと思います。
私は会社を辞める直前くらいに結婚をしました。
ただ、正直、結婚をするつもりはありませんでした。
私の場合は気楽に生きていきたいと思っていたし、理想の暮らしの中に結婚や子供がいることもありませんでした。
でも、「結婚をしたのが正しかった」と、いまでは思っています。
というのも、セミリタイア生活を続ける上で最後に必要になるのが、社会性を保つための環境作りだからです。
人間って、どこまでいっても社会的な生き物です。
どれだけ一人でいることが好きでも、社会とのつながりを持たずに根無し草で何十年と生きることってたぶんしんどいです。
だからこそ、事業で社会とのつながりを作ったり、価値観の似た仲間とつながったりすることが、最後には必要になると思います。
そんなときに、身近にいつでも話し相手がいるというのは悪くありません。
また、会社を辞めるとどうせ暇になるので、その暇な時間で一緒に人生を考えられる人がいるというのは良いものです。
なので、「これから会社を辞めてセミリタイアしたい」という人は、結婚を考えるのは全然ありだと思います。
相手がセミリタイア志向の人でなくても、話し合いによって同じ目標に向かって足並みを揃えられる人であれば、結婚後でもセミリタイアは実現すると思います。
実際我が家では、二人で暮らしたほうが生活コストは下がったし、収入も増えて資産額も増えたので、私だけでなく、奥さんもセミリタイアする条件が整いました。
なので、結婚はありだと思います。
関連記事:【月13万円生活】倹約家共働き夫婦二人暮らしの生活費を公開
最後に
というわけで、「30歳でセミリタイアするまでにやった5ステップ」について紹介してきました。
- セミリタイアにはベースとなる理論があるが、情報を分解したり、組み替えたりしながら自分なりにアレンジしていく必要がある
- 私にとってのセミリタイアとは、最悪資産を取り崩せば何十年と生きることができる選択肢を持っているからこそ、自分がやりたくないことをせずに生きていけるライフスタイル
- その上で、実際にやってきたことは次の5ステップ
- まずステップ1では、理想の暮らしを言語化した。会社を辞めることは理想の暮らしの一部にすぎず、自分はどんな暮らしをしたいのかを明確にした
- 次にステップ2では、目標資産額を2段階で算出した。最短で会社を辞めるために、第1段階では最低限満足できる生活水準ベースで設定して、第2段階では理想の暮らしを実現するための生活水準ベースで目標を設定した
- 続いてステップ3は、理想の暮らしに必要なスキルを洗い出した。会社を辞めた先にある理想の暮らしを実現するために、自分がやるべきことを明確にした
- ステップ4では、淡々とお金を貯めつつスキルを磨いた。お金を貯めてからスキルを磨くのは効率が悪いので、お金を貯めつつ必要なスキルを学んだ
- 最後のステップでは、撤退ルールを決めてから退職した。すぐに生活が破綻しないことはわかっていても不安になるので、収入によってやるべきことを事前に決めておいた。
- セミリタイアでは最終的に社会とのつながりを求めるので、結婚をすることで身近に話し相手がいることは悪いものではない。
繰り返しですが、セミリタイアは自分なりのアレンジが必要です。
そもそも、FIREやセミリタイアのベースになっている理論は、資産運用によって資産が長持ちするというだけにすぎません。
必要なお金を貯めれば絶対に一生安泰なわけではないし、時間を手に入れたことでなにをやるかの答えは人の数だけあります。
だからこそ、「いくら貯めればいい」や「こうしなければいけない」という正解はありません。
考え方によっては、生活に必要なお金の10年分だけ貯めて会社を辞めて、10年などの時間をかけて25年分のお金を貯めるみたいな、”先行型セミリタイア” もありかもしれません。
経済的自由とは違うかもしれませんが、自分が心地よく生きていけそうなのであればそれが正解だと思います。
だからこそ、自分なりの理論を積み上げていくことが肝になります。
そうやって自分なりに考えることを楽しめる人であれば、セミリタイアは遅かれ早かれ実現すると思います。
▼関連記事
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